「笑う相続人」をご存じですか?子どもがいないご夫婦は、わずか1文で対策ができます

例えば、子どもがいないご夫婦がいたとします。

ご主人が亡くなると、配偶者、つまり妻が相続人になります。

ご主人の両親もすでに亡くなっていた場合、ご主人の兄弟姉妹も相続人となり、遺産の1/4を相続する権利を得ます。

妻とご主人の兄弟姉妹で遺産分割を行うことになるのです。

もし、この兄弟姉妹もすでに亡くなっていた場合、その子ども、つまり、姪または甥が相続人になります。

下の図の直子にあたります。

ご主人がなくなると、妻の優子は、すでに他界しているご主人の弟の子、直子と共に相続人になります。

普段から付き合いがあった場合はそれほど問題もないのですが、歳を重ねるごとに、疎遠になっていた場合、妻の心境は複雑になります。

弟の妻と仲が良くない場合はなおさらです。

反対に、甥や姪は、ずっと会っていない叔父の遺産を相続することができるのです。

直子は、何もしなくても、父親の兄の財産を受け取る権利ができるのです。

まさに、棚からぼたもちです。

この甥や姪のように、「思わぬところから遺産を取得する権利を得た者」が、「笑う相続人」です。

こうならないための対策としては、遺言書を作成しておくことをおすすめします。

ご主人が、遺言書に「すべての遺産を妻に相続させる」と書いておけば、姪や甥が、遺産を相続することはできませんし、ご兄弟が亡くなっていなくても、ご兄弟に相続する権利は発生しません。

その理由は、「遺留分」という制度が関わってきます。

ここでは、遺留分の説明は省略しますが、遺留分についてはこちらのブログにもチラッと記載してありますので、良かったら参考にしてみてください。

遺言書というと、何だか重たく感じるかもしれませんが、「すべての遺産を妻に相続させる」というわずか14文字の一文を書いておくか書いておかないかで、残される配偶者の人生は変わってきます。

遺言書を準備しておこうかな、というきっかけになっていただけたら幸いです。