突然、「相続人代表者指定届兼固定資産現所有者(変更)申告書の提出について(依頼)」が届いたら?

突然、遠くの市区町村役場から、「相続人代用者指定届兼固定資産現所有者(変更)申告書提出につい(依頼)」が届いたら、どうしたらいいのでしょうか?

参考になれば幸いです。

例えば、自分の祖父母と父がすでに亡くなっており、疎遠になっているおひとりさまの叔父(父親の兄や弟)が知らない間に亡くなっていた場合、代襲相続人として自分のところにこの通知が届く可能性があります。

叔父は子どもはいないけれど、結婚しているから大丈夫と思っていても、妻が先に亡くなっていて、その知らせを受けておらず、叔父所有の不動産の相続登記がされていない場合、この通知が届きます。

このように突然相続人となった人を「笑う相続人」といいます。

この知らせの趣旨は、相続登記が完了までの間、叔父が所有していた不動産の固定資産税を支払う人を、相続人の中から決めてください、というものです。

不動産を所有している人が納税する固定資産税の納税通知書は、1月1日の所有者のもとに、4月から5月に届きます。

1月1日現在の所有者が死亡しており、相続登記がなされていない場合、固定資産税を払う人がいないため、市区町村役場から相続人のもとにこの案内が届くという訳です。

この依頼についての解決方法は2つあります。

①相続人全員で話し合い、誰が叔父所有の不動産を相続するかを決める

叔父所有の不動産を相続する人がすぐに決まれば、その人を固定資産税を払う人として申告し、その後、法務局で相続登記をすれば手っ取り早いです。

すぐに決まらなければ、とり急ぎ固定資産税を払う人を決めて市役所に申告し(提出期限内に決まらない場合、市役所が勝手に決めてしまいます)、その後で、相続登記をしても大丈夫です。相続登記が完了すれば、次の年の固定資産税からは相続した人が払っていくことになります(取り急ぎ固定資産税を払うと決めた人は、払う義務はなくなります)。

②相続放棄する

叔父の財産を相続したくない場合、叔父の相続を知ったときから3か月以内に、家庭裁判所で相続放棄の手続きをします。

相続放棄について詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。

まとめ

この通知が届くのは、親族間が疎遠である可能性が高く、相続人全員と連絡が取れない場合もあります。

養子縁組が行われている場合や、親が高齢になっているとこの傾向は高くなります。

役所は、相続人を調べて全員にこの通知を出していますが、連絡先は一切教えてくれません。

令和6年4月1日から相続登記が義務化されます。

相続放棄をすれば、ほかの相続人が相続登記の義務を負います。

そこで、相続放棄するにしても、一度、相続人を調べて話し合ってみることをおすすめします。

今回のように、不動産の相続手続きが完了していない場合、その他の預貯金などの財産もそのままになっている可能性があります。

相続人がだれか分からない場合、または、連絡先が分からない場合、自分の父親の戸籍を取り寄せ、そこから、祖父母、叔母とたどっていきます。

令和6年3月1日から広域交付制度が始まり、本籍地でなくても住んでいる市区町村役場で戸籍を取得できるようになりますが、取得できる範囲は、本人と配偶者と直系尊属(祖父母)直系卑属(子や孫)になります

叔父や叔母の戸籍を取り寄せるためには、叔父叔母の本籍地の市区町村に申請しなくてはならないので、ご注意ください。

どうしたら良いのか分からない方は、お気軽にお問合せいただけたら幸いです。

電話:0565-79–1333

お力になれると思います。