【国際相続】日本在留の外国人 日本で亡くなった場合 相続はどうなるの?
日本に在留する外国人は2019年のデータで約293万人です。
その中で、今後も日本で暮らす可能性が高い在留期間無期限の永住者と特別永住者の数は110万人余。
日本で最期を迎える可能性がある在留外国人は今後間違いなく増えていくと思われます。
そこで、日本在留の外国人が日本で亡くなった場合、相続には日本の法律が適用されるのか、被相続人の国籍国の法律が適用されるのかを考えてみたいと思います。
国際相続を解決する際、まず調べるのが国際私法である『法の適用に関する通則法』です。
その36条には「相続は被相続人の本国法による」とあります。
A国籍の方が日本で亡くなった場合、日本の法律ではなくA国の法律が適用されるということです。
ここで、相続統一主義と相続分割主義の対立について考える必要があります。
相続統一主義は、遺産の種類を動産・不動産に区別せず、相続財産すべてを被相続人の本国法を適用するという考え方です。
日本や韓国、ドイツなどがその代表です。
一方、相続分割主義は、遺産を動産と不動産に分割し、不動産についてはその所在地法を適用し、動産については被相続人の本国法を適用するものです。
アメリカやイギリス、フランス中国がこの考え方です。
例えば、日本在留の中国籍の方が亡くなった場合、通則法36条により、中国の国際私法を調べます。
相続分割主義の中国の法律には、不動産についてはその所在地によるとあるので、日本にある不動産については日本法が適用されることになります。
相続人や被相続人、相続財産が、海外にまたがる国際相続は、関係者の国籍の法律を調べる必要があり、準備する書類も日本と異なるため、複雑で時間がかかります。